異業種懇親会
時不人不(とき、ひとをまたず)、この頃、時の流れがいちだんとせわしなく感じられる。
創作にいそしむ毎日だけに、人との接触が減り、刺激が少ないのが一因かもしれない。
何かの拍子に、ふっと人恋しさがつのり、孤独がしみてくる。
若い頃は、進んで出かけたものだったが、近年、すっかり出不精になった。
これではだめだ、と遅まきながら、外出の機会をふやすようにした。
美術展や映画鑑賞、観劇をはじめ、知己友人との飲食、散策、近郊への小さな旅……等、思いつくままに予定を立てている。
きのうは午前中、春の院展を観に日本橋三越本店に出向いた。
もっとも、これは前々から決めていたことで、急に思い立ったわけではない。
小雨が降る平日にもかかわらず、展覧会場はまあまあの人出で、コロナ禍もどうやら終息に近づいているように感じた。
そのあと、散策をかねて、東日本橋まで歩き、知人のイタリア料理店「Eau de Vie(オードヴィー)」でランチをした。
三越から歩いて二十分ほどだったが、風が冷たくて、それまでの暖かさが嘘のようだった。
傘を持つ手がかじかみ、手袋でもほしいくらいだった。
店にはアポなしで行ったが、オーナーのTさんが気づいて挨拶に来られた。
Tさんとは、彼が以前勤めていたお店からの知り合いだが、私の花扇画を気に入り、何点か店内に飾ってくれているのだった。
イタリアンでありながら、和の趣が感じられる空間にしたいとのことで、私の絵が似合うと映ったらしい。
さらに詩文画集まで置いて、宣伝に努めてくれているとあっては、ちょくちょく顔を出さないわけにはいかない。
今月31日には、恒例の男4人による飲み会を、同店でやることになっている。
メンバーは、東急不動産の前社長・大隈郁仁さん、東京広島県人会幹事長の金森貴哉さん、松竹の中野正夫さん、そして私である。
今回、たまたま私が当番にあたったので、幹事特権でお店をチョイスしたのだった。
この飲み会は、広島つながりで縁が生まれ、各人が持ちまわりで幹事となり、社交の席を設けるようになった。
言ってみれば、異業種懇親会のようなものだが、毎回、初めて耳にする話題や情報、趣味嗜好が飛び交って、楽しいひとときを過ごしている。
人間の常として、歳を重ねるにつれて交友範囲が狭くなりがちだけに、私にとってはボケ防止と言うだけではなく、若さを保つ刺激の場ともなっている。
みなさん、健康長寿には欠かせない、素晴らしき仲間たちである。
2023/03/29 11:02 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)
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