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頬ずり

長年、愛用してきた電気ストーブがついに寿命を終えた。
前日までは平気だったのに、朝、スイッチを入れようとしたら、うんともすんともない。
まったく無反応である。

思えば、購入したのは、平成に入って間もない頃だったから、30数年前にさかのぼる。
この種の電化製品の耐用年数がどれくらいか、利用頻度にもよろうが、長寿であったことは確かだろう。
よくぞ頑張ってくれた、とねぎらいの言葉のひとつもかけたくなってくる。

購入した大手電気店は、かつてはTVコマーシャルを頻繁に流していたが、時代の波に飲み込まれ、電気ストーブよりもかなり前に命運尽きた。
栄枯盛衰は世の習いとはいえ、人間にしても企業にしても、生き抜くのはたやすいことではない。

コロナ禍は依然として収束の見通しは立っていない。異常とも言える物価の値上がりが、庶民の暮らしを直撃している。
生きづらい世の中になった、と愚痴の一つもこぼしたくなるが、悲憤慷慨したところで現実が変わるわけではない。
生きる術(すべ)は自分で習得するよりない。

この数日、東京はすっきりしない天気が続いている。
晴れ間があっても、すぐに雲に覆われるというふうで、けさもベランダが濡れていた。
夜中なのか、朝方なのか、雨音が耳に入らぬほどの、弱い通り雨があったようだ。

しかし、明るんでくるにつれて、一気に青空が広がった。
今日は久しぶりに、一日中、晴天になりそうだ。
気温もこの時期にしては高めのようだ。というより、暖かいと言ってもいいくらいだ。

一年で最も寒いとされるこの時期にあって、太陽のありがたさが身にしみる。
北風は冷たいが、窓越しの冬の陽だまりの心地よさは格別だ。
思わず、頬ずりしたくなる。

陽は東よりのぼり、天空をまたぎ、西のかなたに沈む。
太陽が顔を見せなくても、自然の法則に狂いはない。
森羅万象、人間は自然によって生かされている生き物だということを、今さらながら実感するのである。


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2023/01/20 08:50 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

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