fc2ブログ

華甲祝い

早寝早起きの習慣が身について、今朝も5時過ぎに起き出した。
外はまだ真っ暗だ。
真冬のこの時期、もう少し布団にくるまっていればいいものを、と思われそうだが、時間の重みをかみしめる年齢ともなれば、寒さなどに怖じ気づいてはおれない。

若い頃は寒いのが苦手だったが、いまはさほど苦にならない。
屋外に出るわけではないし、前夜の暖房の余熱も残っている。
体質の変化もあるかもしれないが、要は覚悟の程、気合い一つということであろうか。
何事も、なせばなる、である。

私の場合、夜よりも早朝のほうが仕事がはかどる。
物音一つしない、しんと静まった部屋で、絵を描いたり、小説を書いたりしていると、昼間では味わえない、心身が引き締まるような充足感をおぼえる。

新年を迎え、やりたいこと、やらねばならないことがいろいろある。
書き物は今に始まったことではないが、ことしは早々と絵筆を握った。
昨年の暮れ、なじみの呑み処に顔を出した際、店主が年明け早々に還暦を迎えると聞き、お祝いに花扇画を贈ることを思いついたのだった。

その作品ができあがり、近々、届けに上がるつもりだが、はたして気に入ってもらえるだろうか。
贈る側としては気になるところだが、長寿を言祝ぐ気持ちが伝わればそれで十分だろう。

還暦は文字通り、60年で「干支(えと)」が一巡し、「生まれたときの暦に還る」ことに由来する。
テーマカラーである「赤」は、古くから魔よけの力があると信じられ、産着にもよく使われたのが縁起のようだ。
赤いちゃんちゃんこは、贈りものの定番である。

それにしても、いまどきの60歳はじつに若い。
長寿社会と言われて久しいが、60歳は現役バリバリの働き盛りというのが、私の素直な感想である。
その人のライフスタイルにもよろうが、老いというイメージはまったく浮かんでこない。

それでも「還暦」と聞くと、どこか年寄りじみたイメージがつきまとう。
そんなこともあって、私は「華甲(かこう)」という言葉を使うようにしている。
華の文字が十が六つと一が一つあることと、干支の一番目が甲子(きのえね)というので、二つの意味で還暦になる。

いわば言葉遊びの一種だが、還暦に比べて、華やかなイメージがあるのと、一般的に知られていないところがかえって面白い。
華甲祝い、まだまだ若々しくありたい人に贈りたい言葉である。
くだんの店主はどんな反応を示すだろうか。


スポンサーサイト



2023/01/08 09:45 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |