創作ノート~額装
扇子作家という職業柄、
扇面に絵を描くことが多い。
モチーフも、花鳥風月が主なので、
私の絵を、「日本画」と思っている人が少なくないようだ。
見た目にはそう映るかもしれないが、
日本画とは似て非なるものであって、
私の絵は、ミックス・ド・メディア(混合技法)という、
画材や技法にいっさいとらわれない、
自由気ままに描いた「現代美術」である。
それを言い表すのに、
自ら名づけたのが“花扇画”(かせんが)という呼称であって、
本意はあくまで、
日本画でも洋画でもない、オリジナリティーにある。
オリジナルと言えば、
私の絵の額装の一つに、扇面にくりぬいた特別仕様の額がある。
メタリックや漆喰ふうなど、
色の種類も豊富で、何でも工法は特許だとか。
デザインもきわめてシンプル、モダンであり、
日本間はもとより、洋間やコンクリート壁にも似合う。
そして壁面だけでなく、
平置き展示できるのが大きな特徴だ。
たとえば和室など、襖や障子などで壁面が使えない場合、
飾り台を使って部屋の一角に据え付けると、
畳目線で鑑賞することができる。
額自体が非常に軽くできており、持ち運びもいたって簡単である。
絵は壁面に飾るものだという、固定観念を離れて
やきものや生け花のように、
リビングボードやサイドテーブル、デスクの上に飾ったりして、
自分なりの楽しみ方を演出してみるのも一興だろう。
そういう意味もあって、
女性用の茶扇子大の紙(私の扇面画の中では最も小さい)に、
四季折々の草花を描き、
新たな鑑賞空間をつくっていきたいと思っている。
秋色 13×29・5㎝
2012/11/14 10:11 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)
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