fc2ブログ

一握りの思ひ

和の生活マガジン『花saku』(月刊、㏚現代発行)は、
総カラーで40ページほどの、
手軽で読みやすい、A4判の小冊子だ。
年間購読料も7,500円と手ごろである。

和物を愛し、和の心を尊び、
伝来の日本文化の素晴らしさを語り伝える……、
その姿勢を、陰ながら応援させていただけたらと思っている。

この冊子に、私が“古典文学花ごよみ”と題して、
花扇画、詩、解説文をセットにした連載を始めたのは、
平成26年の4月だが、今春の3月号でその任を終え、
4月号から新たな連載を始めることになった。
題して、“一握りの思ひ”。

これは、各界の著名な方々がお使いの「吉本扇子」を、
毎号、一点ずつ紹介していくもので、
私にとっては、昔懐かしい作品が何点も出てきて、
扇子作家の来し方を振り返る、恰好の機会ともなった。

第1回にご登場いただいたのは、岸田文雄外務大臣である。
私と同じ広島出身で、
このところ、テレビでその顔を見ない日がないというくらい、
超ご多忙の公務をまっとうされている。

折しも、4月10、11日の両日、広島において、
G7の外相サミットが開かれ、そのホストを務められる。
今号、ご登場いただいたのはじつは、それに合わせてのことである。

岸田大臣は着物が似合いそうなので、
よけいなお節介ながら、
「花saku」でもご紹介していただきたいものである。

ところで、今回の新連載のタイトルだが、決まるまでには紆余曲折があった。
“たかが扇子、されど扇子”とか、“私のこだわりマイ扇子”など、
古語や英語、カタカナまじりなどなど、いろんな案が出ては消えた。

そして、試行錯誤を重ねたのち落着したのが“一握りの思ひ”だった。
これは若い女性編集者の強い思い入れと、感性の所産の賜物にほかならず、
口ずさむほどに耳目になじんできたのは、私としてもうれしい限りだった。

私も長年、編集畑に生きてきたのでよく承知しているが、
企画はもとより、タイトルや文章、レイアウトなど、
生みの苦しみは日常茶飯事であって、
それがまた、編集のだいご味と言っても過言ではない。

今回のタイトルを決めるにあたり、
昔取った杵柄の血が騒ぎ、身も心も軽くなったようなのは、
ひとえに、チャーミングな編集者の粘りに触発されたからであり、
春の陽気に誘われてのことでは決してない。


スポンサーサイト



2016/04/06 15:18 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |