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ささやかな伝道師~卓扇画(たくせんが)に寄せて

最近、手のひらサイズの小品を描き続けている。
卓上に飾られる大きさなので、これまで卓上絵という言葉を使ってきたが、
私の作品であることがわかるように、
“扇”という字を入れ、「卓扇画たくせんが)」と命名した。

私の正直な気持ちを言えば、
マスコットというか、ペット感覚で親しんでもらえたらと思っている。
室内にただ飾るのではなく、
たとえば、旅のお供として、気軽に持ち歩いていただくのも一興だろう。

卓扇画は基本的に、壁面に吊るすのではなく、置物としてつくられている。
「扇面」(額寸13,6×18,7㌢)と「角判」(額寸17×21,5㌢)の二種類があり、
いずれも、小さなカバンにも入る大きさである。
かさばらないので、持ち運びも容易である。

私は長く、美術雑誌の編集に携わってきたが、
常々、多くの一般家庭が、「絵のある暮らし」とはほとんど無縁であるのを、
寂しく残念に思っていた。

それには住宅事情や、ライフスタイルなど、
いろんな理由が考えられるが、
いちばんの原因は、美術品が必需品ではなく、「嗜好品」だからであろう。

こればかりは、個人の趣味感性にかかわることなので、
何ともしがたいところではあるが、
しかし考えてみれば、美しいもの、心惹かれるものを、
身近に置いておきたいと願うのは、人間の本能でもあろう。

それを思うと、嗜好品といえども、
多くの人にとっては、無縁のシロモノなどでは決してない。
要は、品物(作品)そのものに、
買い手の気持ちを突き動かすだけの魅力があるかどうか、その一点にかかっているといってもいい。

不遜にも、私が絵を描くのは、
日々の暮らしに潤い、ぬくもりを持っていただけないかとの思いがあってのことで、
「卓扇画」はじつは、そうした私のささやかな伝道師でもある。

絵画というと、なかには「芸術」を連想し、
小難しいとか、高額といったイメージを持つかもしれないが、
私はあくまで、自分の作品はインテリアだと思っている。

知識や素養に関係なく、
ただ素直に、喜び、いつくしんでもらえるような作品をつくりたいというのが、
一貫した私の主義主張である。

折あらば、好き嫌いにかかわりなく、
一人でも多くの人に、私の作品を間近で見ていただき、
自分の手元に置くなり、贈り物としてご利用いただけけるなら、
作者としてこれに勝る喜びはない。



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2015/08/31 09:46 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

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