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卓扇画~四季彩々

さわやかに晴れ澄んだ秋空に、身も心も軽くなるようだ。
朝陽に瞼(まぶた)をめくられて目覚めるのは、
自然の法則にそって生きていることが実感されて、
何ともすがすがしい。

昼間は日差しが強く感じられても、
つるべ落としの秋の夕暮れとともに、
気温は一気に下がり、朝晩はめっきり冷え込むようになった。
まさに秋本番である。

秋は人間の五感を刺激する季節である。
食欲の秋、芸術の秋、体育の秋……と、
心身を鍛え、磨き上げる、
生命賛歌の彩りに満ちあふれている。

命の躍動と言えば、
私がいま没頭し、取り組んでいるのが卓扇画である。
手のひらサイズの絵のことを、自分でそう命名したのだが、
名前からも分かるように、
机の上や枕元など、身近に飾ってもらうことを念頭に制作している。

一人でも多くの人に、
“美のある暮らし”を満喫してほしいというのは、
私のかねてからの願いであって、
作品のモチーフも、誰にもわかりやすい、日本の四季から取っている。

日本文化の素晴らしさは、多くの人が語り伝えるところだが、
日本人の一般的な暮らしにあっては、
自宅に絵を飾っている人はそう多くはないように思う。
文化度は必ずしも高いとは言えない、というのが私の正直な感想である。

これには住宅事情、ライフスタイルなども関係していようが、
小遣い感覚で買えるような、魅力ある作品が、
身のまわりにないことも一因であろう。
“美のある暮らし”は名ばかりのような気がしてならない。

私の作品がはたして、
どれほどの魅力を持っているか、
自分ではわからないけれども、
少なくとも、描いている私だけは自画自賛、悦に入っている。

しかし、作家の気持ちから言えば、
身銭を切ってお買い求めいただくのに勝る、お褒めの言葉はない。
ペット感覚で、愛し、楽しんでもらえたら、と願ってやまない。

さらにいえば、自分で楽しむだけでなく、
たとえば、誕生日祝いとか、新築祝い、海外の方への手土産、
あるいは、病院に入院している方などへの贈り物などなど、
用途はいろいろあると思っているのだが……。

自分で営業活動をしているようで、
いささか気が引けるが、
世界に一点の、
こじゃれたインテリアとして、皆さんにご利用いただければうれしい。



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2015/10/06 13:15 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

一心不乱に

『tukiji無玄流』(中央区築地4-2-11 新橋演舞場別館B1、03-5565-8668)で、
8月8日に開催される私のイベントに、参加される方にお贈りさせていただく作品の一部を掲載した。
作品の大きさはすべて9,7×6,8㌢。


      秋日和 9,7×6,8㌢ 秋日和          夏涼み 9,7×6,8㌢  夏涼み



    野紺菊 9,7×6,8㌢  野紺菊      夢花〈慕〉 9,7×6,8㌢   夢花〈慕〉



ここに挙げたのはごく一部で、
会場には30~40点を展示させていただく予定である。
どんな装いになるか、いまから待ち遠しい。

小品といえども、簡単に出来上がるわけではない。
一、二時間で描きあげるのもあれば、
数日を要する場合もある。

作品の良し悪しに、作品の大きさは関係ない。
意識を集中させ、
一心不乱に取り組む、
その姿勢に、何ら変わりはない。



2015/07/15 10:56 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

チャンネル・アート

ことしは「海外」と縁が深まりそうだ。
扇子の魅力を世界に、というのが、
私が扇子作家を志した動機の一つだけに、
その機会が訪れたことを素直に喜びたい。

これを単なるムードに終わらせず、
何としても具体的な形に結びつけ、
吉本ワールド」を世界に広げたいものである。

いま、一番身近な話では、パリ日本文化会館での展示である。
FB友でもある山下智子さんが現地で、
源氏物語の語り会」をやるのにあわせて、
私の作品(花扇画・扇子)を一緒に見ていただこうというわけである。

昨秋、ルアン銀座ギャラリーで開いた二人展に、
源氏物語の夕顔の帖に題材をとった私の作品が、
山下さんの目に留まり、今回の話に結びついた。

その時の作品は、チャンネル・アートと言って、
花扇画と私の直筆の詩を、一つの額装に仕立てたものである。
上に扇面、下に詩という配置である。

大部分の人が、絵だけの額装を見慣れているだけに、
奇異に映るかもしれないが、
あえてそこに、料紙にしたためた詩を添えることで、
日本美の魅力を知ってもらいたい、というのが私の意図である。

新しいことにチャレンジしたい私にとって、
こうした試みは、もしかしたら不評を買うかもしれないが、
人によっては、斬新なインテリアとして受け入れてもらえるかもしれないと、
いささか楽天的に考えている。

海外展開のもう一つは、シンガポールでの個展である。
正式な日時はこれからだが、一応11月ごろを計画している。
3月初旬にスタッフの秋吉君、小黒君の3人で現地に視察に行く予定だ。

シンガポールは多民族国家で、
聞けば、日本文化に対する興味関心が非常に高いとか。
私の作品がどう評価されるか、いまから気持ちを高ぶらせている。

それにシンガポールの平均気温は28度だというから、
日本よりも扇子の出番は多いかもしれない。
私のリバーシブル扇子が大ブレークすることを願ってやまない。

私はこれまで、何とかの一つ覚えのように、
パリ、ミラノ、ニューヨークで個展を、と言い続けてきたが、
世界経済をリードするシンガポールこそ、
私の作品をお披露目する格好の舞台ではないか、と最近、思い始めている。

取らぬ狸にならないよう、スタッフの力を借り、
そして多くの方々のご支援、ご助言をいただきながら、
海外進出に向けて歩を進めていく覚悟である。
応援いただければさいわいである。

2014/01/22 10:07 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

創作ノート~額装

扇子作家という職業柄、
扇面に絵を描くことが多い。
モチーフも、花鳥風月が主なので、
私の絵を、「日本画」と思っている人が少なくないようだ。

見た目にはそう映るかもしれないが、
日本画とは似て非なるものであって、
私の絵は、ミックス・ド・メディア(混合技法)という、
画材や技法にいっさいとらわれない、
自由気ままに描いた「現代美術」である。

それを言い表すのに、
自ら名づけたのが“花扇画”(かせんが)という呼称であって、
本意はあくまで、
日本画でも洋画でもない、オリジナリティーにある。

オリジナルと言えば、
私の絵の額装の一つに、扇面にくりぬいた特別仕様の額がある。
メタリックや漆喰ふうなど、
色の種類も豊富で、何でも工法は特許だとか。

デザインもきわめてシンプル、モダンであり、
日本間はもとより、洋間コンクリート壁にも似合う。
そして壁面だけでなく、
平置き展示できるのが大きな特徴だ。

たとえば和室など、襖や障子などで壁面が使えない場合、
飾り台を使って部屋の一角に据え付けると、
畳目線で鑑賞することができる。
額自体が非常に軽くできており、持ち運びもいたって簡単である。

絵は壁面に飾るものだという、固定観念を離れて
やきものや生け花のように、
リビングボードやサイドテーブル、デスクの上に飾ったりして、
自分なりの楽しみ方を演出してみるのも一興だろう。

そういう意味もあって、
女性用の茶扇子大の紙(私の扇面画の中では最も小さい)に、
四季折々の草花を描き、
新たな鑑賞空間をつくっていきたいと思っている。

         秋色_convert_20121025085432
          秋色 13×29・5㎝ 


2012/11/14 10:11 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

中秋の名月

いま、発売中の『パンプキン』(9月号)に、
中秋の名月”というタイトルで、
私の花扇画『月の香』が紹介されています。

            『パンプキン』9月号より
             『パンプキン』9月号より
          
一般的に、美術雑誌では、
絵画作品を紹介するときは、
ノートリミングの「真俯瞰の全図」が常識ですが、
この構成写真を見たとき、
私は、自分の美意識に近いものを感じました。

私自身、自らの絵を「花扇画」と名付けているように、
画材にとらわれることなく、技法にこだわることなく、
好き勝手に描くことが、
絵画の「本義」だと思っています.

展示についても、
壁面を利用するだけでなく、
リビングボードやサイドボードの上に立てかけたり、
飾り台に据えて、和室の畳目線で楽しんだりと、
もっと創意工夫があってしかるべきと考えています。

今回の写真は、
カメラマン編集者の、コラボレーションというべきもので、
アングルや色面構成を通して、
イメージ広告風に、季節の情趣を引き出そうとする創意が感じられ、
自分の作品のことながら、すがすがしい気分になりました。

               月の香
               月の香    27・6×60㎝

2012/08/29 07:35 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

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