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Haute couture de 和~吉本忠則の世界

9月に入った途端、東京は猛暑から一転して上着がほしくなるような秋雨になった。
2日、3日と一日中雨で、10月並みの気温だとか。涼しいというよりも、肌寒いくらいだ。
こういう時期に、風邪でもひこうものなら、コロナと間違えられ、物々しい騒ぎになりかねない。
体調管理にはいつも以上に気を配りたい。

さて、9月といえば、芸術の秋である。
その声を待っていたかのように、待望久しい詩文画集がいよいよ出版の運びとなった。
本のタイトルは『Haute couture de 和~吉本忠則の世界』。
作品一点一点へのこだわりを、シンボリックに言い表したつもりである。「オートクチュール デュ ワ」とフランス語風に口ずさんでいただけたら、と思う。


             詩文画集cover
    Haute couture de 和~吉本忠則の世界 表紙

本の発行日は8月8日。
漢字の「八」という数字が縁起がいいからでもあるが、扇子の別名、「末広」にちなんだ。
発売日に選んだ9月2日は、編集デザインを手がけた黒崎さんの情報によれば、72候でいう第42候にあたり、「稲の穂、実る」日。しかもこの日は満月(あいにく東京では見えなかったが)、つまり欠けたところがない日、天が赦す「天赦日」なのだとか。

おまけにこの日は、占星学でいうところの、うお座の満月。12星座の終わりでありながら、「ハーベストムーン」、つまり収穫の月にあたるとあっては、反対する理由などあろうはずがなかった。

思えば、出版不況と言われる昨今、電子書籍に押され、旗色の悪い紙の本だが、紙の風合い、手ざわり感に惹かれる身としては、誰もが手に取りたくなるような作品集をつくりたいとの思いは深まるばかりだった。それはスタッフ共通の願いであり、望みでもあった。

そうした思いを込めた本書には、扇子、飾り扇、卓扇画、詩扇画、花扇画、風炉先屏風、詩、エッセイ、掌編小説、書き下ろし小説など、吉本ワールドのエキスがふんだんに織り込まれている。
総頁数は72ページのオールカラーで、美術と文学が一体化した、今までにない作品集になったのではと自負している。

一般的に、裏表紙にはバーコードなどが入れてあるが、本の体裁、イメージを損なわないために、あえて省いている。デザイナーのこだわりである。
コーティングされた表紙も、高級感が出ており、電子書籍では絶対に味わえないものである。
百聞は一見にしかず、まずは手に取って、吉本ワールドに慣れ親しんでいただけたらと思う。
本書は、アマゾン、ヤフーでもご購入いただけます。


Haute couture de 和~吉本忠則の世界
価格=2000円(税込み)
申込先=hautecouture.dewa88@gmail.com
発行=(有)オフィス玄

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2021/09/03 10:40 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

至難の技

三寒四温と言いながらも、
朝晩の寒暖差が激しいこの季節、
出かけるのに、何を着て行こうか、迷いためらう。

さすがに真冬のダウンは手にしないが、
いっそコートをやめて、
マフラーだけでいこうかと思いつつも、
夜は北風が吹いて冷え込むという予報を耳にすると、
とたんに怖気づいて、つい防寒服に目が行く。

若い頃なら、何よりも見かけ、しゃれっ気が優先して、
こんなことで思い悩むことはなかったが、
高年世代に忍び寄る「加齢」という現実は、
衣食全般にわたって、自分の暮らしぶりを変えつつある。

人は人、自分らしく生きればいい、と自分に言い聞かせ、
実際、そのような生活を送っているつもりだが、
「生涯青春」を貫くのは、「至難の技」であることは確かなようだ。

今夕は、知人のオープニング・レセプションに出かけるつもりだ。
個展の主は、私よりも五、六歳若いのだが、
若者顔負けの、精力的な創作活動を展開していて、
その仕事ぶりを見ていると、芸術活動に年齢は関係ないことを教えられる。

思い返すまでもなく、なんだかんだと言いながらも、
こうして身のまわりに、
老いなどどこ吹く風、と制作に励む仲間がいるというのは、
何ものにも代えがたい刺激ではあろう。
逆に言えば、自分の生き方もまた、
彼らに何らかの彩りを与えたり、風を送っていたりしているのかもしれない。

それを思うと、うっかり弱音を吐いたり、年寄りくさく振舞うのは、
自分のみならず、まわりの人にも迷惑をかけることになりかねない。
自分の命は自分のものにはちがいないが、
自分だけのものではないことも、確かだろう。

さて、ところで、きょうのいでたちである。
あれこれ、思案しているうちに、にわかに部屋が暗くなってきた。
ベランダに出てみると、
青空は灰色の雲に隠れて、心なしか気温も下がってきた気がする。

やはり、ここはやせ我慢を張らず、
お天道様のお告げにしたがうべきだろうか。
久しぶりの外出に、何とものどかな時間を過ごしている自分に、
苦笑するばかりである。





2017/03/03 14:30 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

懐旧談義

気がつけば、きょうが三越個展の最終日である。
まだお越しいただいていない方には、
ぜひ足を運んでいただければと思う。

昨夜はわが日大俊英寮のOB十数名が集い、
ルアン銀座ビル2階のワインレストランで、
懐旧談義に花を咲かせた。

ルアンビルのオーナーで、
ワインレストランを運営するのが、
俊英寮OBの阿部稔社長というのが何とも心強い。

例年、会費を上回る狼藉が許されるのも、
阿部社長の太っ腹のおかげである。
昨夜も忙しいさなか、顔を出してくれた。

このOB会、
いつの頃からか、私の個展に合わせてやるようになったが、
年々、参加者がふえている。

昨夜はわざわざ秋田から、
藤井先輩が見えられ、
また卒業後、40数年ぶりに角田さんとも再会した。

角田さんは定年後、余技に興じられているようで、
最近はサックスにはまっているとか。
何とも、うらやましい人生である。

40年ぶりの再会となれば、
少なからず、容姿容貌が変わるものだが、
昔とほとんど変っていないのに、びっくりした。

阿部さんと同期で、
年内にワインレストランで、
演奏会をやろう、大いに盛り上がった。

じつはこのあつまりで、
幹事の役を担ってくれるているのが、
河原町画廊の佐藤裕之君である。

じつは彼は日大ではなく、同志社大OB。
つまり、唯一の部外者というわけだが、
私との腐れ縁で、その任を引き受けてもらっているというわけである。

もっとも、私も逆に、
同志社大の会報誌に、求められて寄稿したことがあり、
垣根を越えて友誼を結んでいる。

さて、個展最終日のきょうは、
朝から雨である。
夕方には上がるらしいが、いささか憂鬱な空模様ではある。

しかし、お天気など、どこ吹く風と、
毎年、最終日に顔を見せてくれる客人があって、
再会を楽しみにしているところである。

2016/06/21 09:19 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

一握りの思ひ

和の生活マガジン『花saku』(月刊、㏚現代発行)は、
総カラーで40ページほどの、
手軽で読みやすい、A4判の小冊子だ。
年間購読料も7,500円と手ごろである。

和物を愛し、和の心を尊び、
伝来の日本文化の素晴らしさを語り伝える……、
その姿勢を、陰ながら応援させていただけたらと思っている。

この冊子に、私が“古典文学花ごよみ”と題して、
花扇画、詩、解説文をセットにした連載を始めたのは、
平成26年の4月だが、今春の3月号でその任を終え、
4月号から新たな連載を始めることになった。
題して、“一握りの思ひ”。

これは、各界の著名な方々がお使いの「吉本扇子」を、
毎号、一点ずつ紹介していくもので、
私にとっては、昔懐かしい作品が何点も出てきて、
扇子作家の来し方を振り返る、恰好の機会ともなった。

第1回にご登場いただいたのは、岸田文雄外務大臣である。
私と同じ広島出身で、
このところ、テレビでその顔を見ない日がないというくらい、
超ご多忙の公務をまっとうされている。

折しも、4月10、11日の両日、広島において、
G7の外相サミットが開かれ、そのホストを務められる。
今号、ご登場いただいたのはじつは、それに合わせてのことである。

岸田大臣は着物が似合いそうなので、
よけいなお節介ながら、
「花saku」でもご紹介していただきたいものである。

ところで、今回の新連載のタイトルだが、決まるまでには紆余曲折があった。
“たかが扇子、されど扇子”とか、“私のこだわりマイ扇子”など、
古語や英語、カタカナまじりなどなど、いろんな案が出ては消えた。

そして、試行錯誤を重ねたのち落着したのが“一握りの思ひ”だった。
これは若い女性編集者の強い思い入れと、感性の所産の賜物にほかならず、
口ずさむほどに耳目になじんできたのは、私としてもうれしい限りだった。

私も長年、編集畑に生きてきたのでよく承知しているが、
企画はもとより、タイトルや文章、レイアウトなど、
生みの苦しみは日常茶飯事であって、
それがまた、編集のだいご味と言っても過言ではない。

今回のタイトルを決めるにあたり、
昔取った杵柄の血が騒ぎ、身も心も軽くなったようなのは、
ひとえに、チャーミングな編集者の粘りに触発されたからであり、
春の陽気に誘われてのことでは決してない。


2016/04/06 15:18 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

新たな旅立ち

何をいまさら、と思われるだろうが、
最近、つくづく身に沁みる格言がある。
後悔、先に立たずである。

大みそかのきょう、
カウントダウンを聞きながら、新たな年を迎えるにあたり、
悔いなき人生を、と決意を新たにしている。

この年になってはもはや手遅れかもしれないが、
人生は年齢ではない、
自覚した時が新たな旅立ち、だと思っている。

扇子作家として、絵描きとして、物書きとして、
いや、それ以前に一人の男として、人間として、
気持ちの動くままに、突っ走っていきたい。

そう決意しただけで、
にわかに血が騒ぎ、光明がともり、
生きる喜びが増してくる。

新しい年まで、あと十数分、
NHK紅白歌合戦も終了し、
日本の風土を照射する「ゆく年くる年」が始まった。

今一度、人生は一度きり、
今日この一瞬の時間は二度と巻き戻せない。
間もなくやってくる平成二十八年を、
力強く、凛々しく生きたいものである。



2015/12/31 23:48 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

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