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紹興酒開眼

昨夜は久しぶりに、
足立美術館館長と妹の大久保さん、学芸部長の安部君、そして某テレビ局のN・Iさんの五人で、
麻布十番にある中華料理店『富麗華』で酒宴をくりひろげた。

私は数ある酒の種類の中で、紹興酒だけは苦手だったので、
ビールで乾杯した後は、ハイボールを注文したが、
館長に強く勧められ、一杯だけ、付き合うことにした。

私の紹興酒嫌いは三十数年来のもので、
あの独特の香り、風味が苦手で、
初めて口にした時、もう二度と飲むまいと決めたほどであった。

それほどの筋金入りにもかかわらず、
昨夜、口にした紹興酒は、
私のそれまでのイメージを一変させた。

変な臭みがなく、どこかブランデーを思わせるような風味で、
気が付けば、私が一番多く、盃を重ねていたのは、
自分でも呆れ返るほどの激変ぶりであった。

聞けば、その紹興酒は八年物で、
私が以前、口にしたものとは別次元のまろやかさであり、
おかげで、私にとって「紹興酒開眼」の夜とあいなった。

当然のことながら、料理もすすみ、
中でも、中国の野菜で、少し苦味の入った「芥蘭菜(がいらんさい)」は絶妙な新鮮さで、
酒との相性が抜群であった。
おかげで、私にしては珍しく出されたコース料理を完食した。
これには館長もびっくりで、あらためて紹興酒の底力を見直した風であった。

料理に舌鼓を打った後は、
部屋のドア越しに、楊琴(ヤンチン)の生演奏が供され、
しばし癒しのひとときをも味わった。

その余韻を引きずりながら、
なじみの銀座のデイ・ハートマンに繰り出したのは、いつものご愛嬌だが、
数十年吉日、健康で、おいしくお酒を飲める幸せを、
みんなの顔を見ながら、あらためて噛みしめたものであった。

2015/09/01 10:20 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

『納涼の夕べ』イベントのお誘い

8月に入った。
夏はこれからが本番、と思わせるような、
東京の暑さである。

ニュースでは昨1日、岐阜県多治見市で、
最高気温が39度9分を記録したという。
まさに灼熱地獄である。

週間天気予報によれば、
東京もこの一週間、気温の高い日が続くという。
きょう2日も猛暑日になるそうで、これで三日連続だ。

その炎暑が続く今週の土曜日、
8月8日は、「tukiji無玄流」で、私を囲んで“納涼の夕べ”が催される。
今回の宴、東京湾の花火大会や帰省、炎暑などが重なって、
都合の悪い人が続出、
ぜひ一人でも多くの方に、ご参加いただけたらと思う。

申し込みは、無玄流まで。
http://www.tsukiji-mugenryu.com/#!home/mainPage

それにしても暑い、熱い。
私はもともと、夏には強いタイプと思っていたのだが、
連日の35度以上というのは、想定外である。

私が子供のころは、
夏といえども、ここまでは暑くなかったように思う。
熱中症という言葉さえ、耳慣れないものだった。

しかし、大変なのは日本人だけではない。
地球上にはもっと過酷な環境の中で、
人生を生きている人が数多くいる。

泣き言はご法度だ。
強くたくましく、したたかに、
自らを鼓舞して、この夏を乗り切っていこうではないか。


2015/08/01 17:57 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

酒蔵行脚(さかぐらあんぎゃ)

春本番を思わせるような、
きのう23日はバカ陽気だった。
信号待ちをしているとき、日影を探したほどである。

もっとも、この暖かさは一日だけみたいだから、
いましばらく、
厚手のコートや、ジャンパーのお世話になりそうだ。

一昨日は、スタッフの佐藤、秋吉両君と、
「2015 東京 獺祭(だっさい)の会」に参加、
人気沸騰の日本酒を堪能した。

十数年前に始まったこの会は当初、一日だけだったらしいが、
いまは参加者が殺到し、三日間開催になった。
いずれの日も、受付と同時に即、定員に達するとか。

いわば、プラチナ・チケットというわけだが、
今回、三人のチケットは事前に、
知友の三遊亭鳳楽師匠に手配してもらった。

鳳楽師匠は毎年、全国十八か所の著名な酒蔵をまわり、
それぞれ「落語独演会」を開いている。
その一つに「獺祭」が入っていることから、
わがままを言わせてもらった次第である。

当日の入場者は、ざっと三百人。
立食形式のバイキングで、酒は飲み放題。
三日間で、千人近い人が文字通り、美酒に酔いしれた。

会場に若い人、特に女性の姿が目についたのは、
フルーティーな味わい、香りゆえだろうか。
獺祭ファンならずとも、ごくんと喉が鳴るにちがいない。

三日間のうち、金曜、土曜は夜の会で、
日曜日は午後三時半から五時半。
酒のまわりがいささか気になり、控えめに呑むつもりが、
根が呑兵衛だけに、さしつ差されつ、もう駄目である。

途中、壇上に招かれた師匠の小噺に聴き惚れながら、
日本酒党の私はまさに
至福、極上のひとときを過ごした。

ことしは師匠のあとを追って、
いくつかの酒蔵をまわってみたい、と思っている。
もちろん、師匠の落語あっての、酒蔵行脚である。


2015/02/24 08:32 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

綺羅星(きらぼし)

日本橋本店、広島三越と続いた、三越つながりの個展。
その集大成ともいえるのが、
9月13(土)、14日(日)の両日、
ホテルニューオータニで開かれる「2014 三越 秋の逸品会」である。

三越伊勢丹ホールディングスが総力を挙げて、
全国から最上級のお客様を招待し、
国内外の逸品、名品の数々を提供する同会に、ことし初めて出品することになった。

風炉先屏風、詩扇画、花扇画、扇子など、
私なりにこだわった、大小の作品を披露させていただくが、
審美眼鋭い方々の目にどう映るか、
期待半分、不安半分と言ったところである。

私の作品が展示されるのは、同ホテル一階の「鳳凰の間」。
昨年、スタッフと会場を下見させてもらったが、
呉服部が選りすぐった着物、織物、帯などなど、
垂涎(すいえん)の逸品が綺羅星のごとく並び、まさに壮麗の一語であった。

そんな作品群の一つに加えていただいたばかりか、
専用の展示ブースまで与えられ、
作家としてこれほど名誉なことはない。
当然、それだけ責任も重くなるわけで、
心して取り組むのは言うまでもない。

逸品会にはまた、豪華でおしゃれなカタログが用意される。
各売場から厳選された商品、作品を集録するのだが、
光栄にも、私の風炉先屏風『四季彩々』が紹介されることになった。
扇面に桜と富士、木槿、紅葉、雪林を描いた、貼り混ぜ屏風である。

風炉先はそのほか、片面をそれぞれ上下に二分割した、
横に細長い竹林紅葉の図を発表するつもりだ。
仕立てはこれからだが、どんなものが出来上がるか、
自分でも興味津々である。

ちなみに、私のページの隣は川島織物で、
手描京友禅訪問着がまばゆいばかりであった。
カタログはすでに校了し、あとは出来上がるのを待つだけだが、
同会の開催までひと月を切り、制作にもいちだんと力が入る。

ただ、残念なのは、
会場には招待状をお持ちの方しか入れないようで、
会場風景なり、私の作品なりを、
ブログなり、フェイスブック上でUPしていきたいと思っている。



2014/08/13 09:46 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)

嬉しい誤算

日本橋三越本展での個展も、いよいよ今日が最終日(17日)。
有終の美を飾りたいと、
スタッフ一同、気合いを入れ直している。


まだ、お越しいただいていない方には、
ぜひ足をお運びいただきたい。
会場の雰囲気は、今までで一番いいと思っている。

ことしは消費税が上がって間もないこともあって、
開会前は売れ行きを危惧していたが、
いざふたを開けてみると、これまでにない反響と成績で、
まさに「嬉しい誤算」であった。

これが10年の重みであろうかと、
あらためて、陰に陽に応援してくださった方々に、
心からお礼を言いたい。

ことし、これほど人気を博した要因の一つはやはり、
展示場所が変わったことであろうか。
下りエスカレーターの斜め正面に売り場を設けたことで、
作品が人の目に触れる機会が圧倒的にふえた。

実際、通りすがりのお客様が足をとめ、
衝動買いしていただいたケースが二度三度ではなかった。
作者にとって、いわゆる一見(いちげん)のお客様との出会いほど、
刺激的でうれしいものはない。

来年のみならず、
私の個展やイベントがあるときは事前に教えてほしいと、
心温まるお声をかけていただいたのは、
まさに作者冥利に尽きるというものである。

         日本橋三越個展10周年記念展会場風景
         ことしの個展会場(日本橋三越本店4階和雑貨サロン)

日本橋三越展のあとは、
広島三越展(7月29日~8月4日)へと続く。
広島は私の生まれ故郷である。

故郷に錦を飾る、というといささか大げさかもしれないが、
ふるさとの広島展が日本橋三越本店に負けず劣らず、
盛況であることをを願ってやまない。

さいわい、広島の東京県人会の方々をはじめ、
広島つながりの方々から折々に、心強いサポートを頂戴しているが、
私もこれまでにない、手ごたえを感じている。

8月の広島は例年、猛烈な暑さだが、
それを吹き飛ばすような、
扇子作家としての心映えを満天下に知らしめたいものである。


2014/06/17 08:59 | COMMENT(0)TRACKBACK(0)